ペテロの葬列
2014/08/17 11:16
NT
男性 40代後半 栃木県
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物流を中心とした巨大企業、今多コンツェルンのグループ広報室に籍を置く杉村三郎を探偵役にした宮部みゆきの人気シリーズ。現在、ドラマ化され放送中です[サーチ(調べる)]

「誰か」「名もなき毒」に続く3作目の今回は、バスジャックに巻き込まれた杉村らが、事件の背景にある人間の欲と悪意にさらされ、日常生活を少しずつ狂わされていく過程が描かれます[考えてる顔]

白髪頭の老人は無造作に右手を上げ、銃口をバスの天井に向けた。誰も、何も言えず何をする間もない瞬間のことだった。パン、と発砲音がした。杉村は一瞬、目をつぶった。バスの凹凸のあるパネルに穴が空いた。発砲音にかぶって、パネルが割れる音が響いた…[バス]

痩せて小柄、背中が少し曲がった老人は、千葉・房総を走る路線バスで女性運転手に銃口を向け乗っ取りを図ります。言葉巧みに乗客を操り、事件が終われば、全員に慰謝料を払う、とうそぶく老人。事件発生から約3時間後。警察の強行突入でバスジャックは終焉を迎えたはずでした。乗客の元に宅配便が届くまでは…[爆弾]

本作を読んで思ったのは、宮部みゆきの代表作「火車」に通じる、人間の業のようなものがテーマになっていることです〓

どちらかというと能天気な主人公のシリーズでしたが、だんだん人間臭さが出てきましたね。探偵ごっこから抜け出し、本格的な探偵物語に変わっていく予感がします[ひらめき]

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